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食の安全に対する3つの危険要因:センサソリューションの選定方法
製品を回収することは、収益損失、破棄された材料、生産時間の観点だけでなく、ブランドの評判やロイヤリティの面でも大きい犠牲が伴います。食の安全の問題にすばやく対処して緩和すれば、大規模な回収のリスクは低くなります。 この記事では、結果的に回収につながるような最も一般的な3つの食品の危険要因について概要を説明し、それぞれのケースで食の安全を確保するのに役立つセンサ技術をご紹介します。
3つの一般的な食の安全の危険要因
食の安全に対する3つの危険要素は、1) 表示のないアレルギー物質、2) 病原体、3) 物理的な危険要因です。 用途に合った適切なセンサ技術を選択することで、これらのリスク削減を大きく前進させ、長期的に時間とお金の節約につながります。
1. 未発表のアレルゲン
食の安全に対する重要な危険要因のひとつは、表示のないアレルギー物質です。食品アレルギーは消費者にとって致命的になるおそれがあるため、食料品に含まれるアレルギー物質は必ず正確にパッケージに表示する必要があります。 牛乳、卵、魚類、貝類、木の実、ピーナッツ、小麦粉、大豆の8つの主要食品については、パッケージに表示することが法令で義務付けられています。
しかし、包装される食品の加工中に何かひとつ間違いが起きて間違ったパッケージに製品が入れられてしまうと、食品の内容物のラベルは表示が不適切になります。 例えば、チーズ入りホットドッグが誤って普通のホットドッグのパッケージで包装されると、そのパッケージには牛乳のアレルギー物質についての警告が表示されないことになります。
解決策:ラベル検証用のビジョンセンサ
製品に正しいラベルが貼られていることを確実にするには、ラベル検証技術が不可欠です。 非常に効果的な技術のひとつはビジョンセンサで、包装された食料品に適切なラベルがあるかどうかを検証するために使用します。
例えば、ボトル充填ラインにはさまざまな種類の製品が並べられ、製品の交換も頻繁に行われます。 間違ったラベルがボトルに貼られるのを防ぎ品質と食の安全を確保するため、ビジョンセンサを使って、ラベルパターンが装置にティーチされた参照パターンと一致するかどうかを確認します。 信頼性の高いビジョンソリューションでラベル検査をオートメーション化することで、手動検査でよく起こる間違いのリスクを抑えて品質管理を改善し、さらに未表示のアレルギー物質による製品回収の件数を減らすのに役立ちます。
2. 病原体(生物学的危険)
食の安全に対するもうひとつの重大な懸念事項は病原体です。 病原体は生理学的な危険要因とも呼ばれ、人間が摂取すると病気になるおそれがあるあらゆる種類の細菌、ウイルス、寄生生物 (リステリア菌やサルモネラ菌など) を指します。病原体は食品加工の前、加工中、加工後にさまざまな経路から食料品に混入されます。
生物学的な危険要因の発生源には数多くありますが、病原体の成長にとって最も重要な条件のひとつは温度変化です。 例えば、ランチ用肉料理の製品がすぐに適切な温度まで下げられなかった場合、あるいは加工後に適切な温度が維持されなかった場合、有害な細菌が繁殖します。 食品加工の段階から販売までの全過程で温度レベルの管理を徹底することで、多くの生物学的な危険要因が有害なレベルに達するのを防ぐことができます。
さらに、病原体は機械部品が頻繁に食品に接触するときに発生することもあります。 衛生面が配慮されていない設計の部品は (例えば食品が溜まる深い溝など)、綿密な洗浄を実施しても容易に清掃することはできず、食の安全の危険要因となることがあります。
解決策:リモート温度監視機能を持つ衛生センサ
フードチェーン全体の温度をモニタリングし、記録することは必須である。 しかし、人の手ですべて記録するのは多額のコストがかかり、時間およびリソースにかなりの投資が強いられることになります。
この問題に対するソリューションとして、IIoT ワイヤレス温度センサーがある。 ワイヤレス接続温度センサー は、コントローラーを介してワイヤレスでデータを送信することにより、文書化プロセスを自動化するために使用することができる。 ワイヤレスソリューションでは時系列のデータを保存して後から確認することができるだけでなく、ワイヤレスセンサでリアルタイムの状態管理も可能になります。
すなわち、食品の保管場所の温度が上がって設定されているしきい値を超えると、即座にアラートが送信され、温度調整の必要性を管理者に警告することができます。 これらの警告は、HMIで表示可能にしたり、テキストメッセージで送信したり、タワーライト またはその他の視覚インジケータで警告信号を開始するように設定することができる。 危険を招くおそれがある温度変化を発生時点で認識できるため、製品の劣化を防ぎ、コストの節約に役立ちます。
リモート温度管理の他に食品製造中の病原体の繁殖を防ぐ方法は、衛生設計のセンサを選定することです。
食品に定期的に直接接触するセンサは、FDAにより等級付けされていなければなりません。 しかし、通常は食品と接触しないセンサの多くには、この等級付けは不要です。 それでも、食品がはねてセンサに接触した後で加工プロセスに戻されるようなケースもあります。 そのような場合は、食品が入り込めないほど隙間が小さく清掃が簡単な衛生センサが必須です。
3. 物理的危険
物理的な危険要因とは、機械の部品が破損したときなどに、有害となる可能性を持つ食品以外の粒子が食品と一緒に包装されてしまうことから生じます。 金属検出器によって食品に混入した小さい金属片を製品が出回る前に見つけ出すことができる一方で、プラスチックやガラスなどの他の材料が誰も気づかないうちに入り込み、食品に含まれる異物を摂取した最終消費者の健康がおびやかされるおそれがあります。
解決策:プラスチック製ハウジングを持つ頑丈なセンサ
センサは破損して食品内に入り込むおそれがある機械部品として配慮が必要なだけでなく、他にも重要な考慮点があります。 頻繁に洗浄が行われる環境では、高温や高圧に耐えれる頑丈さがセンサに必要になります。また、腐食性の洗浄液に耐えられる高い耐薬品性も必要です。 このような用途には、徹底的なテストにより過酷な環境に耐えることが確認されているIP69K等級のセンサを使用してください。
また、センサの材料の構成も大切です。ステンレス鋼は食品用途には直感的な選択のように思えるかもしれないが、金属製の光電センサーには、外れてプロセスに落ちる可能性のあるプラスチック部品(窓、光パイプなど)が常にある。
金属製ハウジングを持つセンサにもプラスチックが含まれており、プラスチック部品と金属部品の接合には接着剤または機械的な手段が使用されます。 洗浄などにより温度変化にさらされると、さまざまな材料がそれぞれに膨張して収縮することで小さい空隙が発生して、それが水が浸入するスペースとなります。
その一方で、プラスチックのみでできている光電センサの場合は、プラスチック部品どうしが超音波で接合されてひとつの部品として一体化されます。 そのため、センサ窓が外れるリスクが低下し、水の侵入に対してより確実に保護されます。